毎日毎日、ほぼ毎日。私は、笠岡港から白石島へ船で通っています。島で生まれて、高校生の頃は毎日船で学校に通っていました。今は丁度その逆ですね。
白石島の人口は600人強、高齢化率は約60%です。過疎地の事情に詳しい人は高齢化率60%と聞いてもあまり驚かないのではないでしょうか? 自分もかなり麻痺しています。 では、40歳以下の人口はどのくらいか?答えは5%です。人口が600人なので、30人ですね。
この話を島の人にすると「いや、もっといるだろう」と一笑にふされます。でも、次の日「昨日、晩ご飯を食べながら40歳以下と思われる人を指折り数えたんだけど本当に30人くらいしかいなかった!」と言われます。
島の人同士は大抵知り合いなので、その気になれば、具体的に数えることができるのです。私は37歳なので、その30人のうちの一人ということになります。過疎地で大変だろうとよく言われますが、この世の中で大変でない場所もないでしょう。
島での仕事は「廻漕(かいそう)店」。港で切符を売ったり、接舷する船から手数料をもらうのが仕事です。珍しい仕事と屋号なので、他所で仕事をする場合、名刺交換してからの話題には事欠きません。
港は、島内外の人々が必ず通る場所なので、様々な情報に触れることができます。船の待ち時間も長めなので、専門性の高いお仕事をされている方には、色んなことを聞ける場合もあります。
また、数年前から、港の仕事以外にも様々な事を始めました。
中でも、宅配事業は島の中でも役に立っている仕事でしょう。配達で毎日島の中を廻っていると、問題点もよく見えます。以前よりも、島のことがよくわかるようになりました。
島という圧縮された社会の中では、様々なものが明確に見えます。様々な社会問題が身近なので、問題発見能力がちゃんとあるなら、勉強するにはうってつけの場所でしょう。
近頃は、人づてに仕事が少しずつ広がっていき、野菜の仲買をするようにもなりました。しかし、少量多品種で、面白いものがあっても、まとまったお金には中々なりません。
それなりの計画がなければ、できることは非常に限られています。
そんな理由で、今一番忙しいのは、事業計画の立案です。