「ただ対話するだけで、どうしてこころが癒されるのか?」 森川すいめいさんの「感じるオープンダイアローグ」(講談社現代新書)を読了

父の見舞いで京都に帰省した際、新しく南区にオープンした鴨葱書店で森川すいめいさんの「感じるオープンダイアローグ」(講談社現代新書)をゲットしました。「ただ対話するだけで、どうしてこころが癒されるのか?」というコピーにひかれました。ふだんインタビューの仕事をしていると一方的に話を聞き出すことに抵抗を感じることがあり、インタビュー中にわざとアイスブレイク的な話をするようにしていて、知らず知らずオープンダイアローグ的なことをしていたことに本書を読んで気づきました。

本書はオープンダイアローグのノウハウ本ではなく、ご自身がオープンダイアローグに出会って体得するまでのプロセスを紹介した本です。著者がオープンダイアローグを体得するまでの過程の、自分自身の話をするのが苦手な著者ご自身の心の葛藤が繰り広げられ、そのプロセスを追体験している気分になって心苦しかったです。



ハッとしたのは著者がオープンダイアローグに辿り着く過程で、岡檀さんの自殺希少地域にたどり着いた文面を読んだこと。岡檀さんの著書「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある」は2019年の参院選の時期に、弊社メディアのサロン文化大学で取り上げていたので、関心領域がさらに根っこの部分でつながり、考えが深まった気がしました。

「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある」を読んで、大阪の投票行動と地域性の関係について考えた
参院選の結果を受けて「大阪在住で選挙権を持っているけれど選挙に行かなかった人たちは、消費税があがっても戦争することになっても文句は言いませんってことやんな?」とツイートしたところ、大学の先輩からこんなコメントがありました。

ちなみに対話実践のガイドラインはオープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)のページで誰でも読めます。
対話実践のガイドライン – Open Dialogue Network Japan



学生時代、エドガール・モラン著の「オルレアンのうわさ 女性誘拐のうわさとその神話作用」を読んでから、なるべく「その人のいないところでその人のことを話さない」ようにしているので、このキーワードも大切にしていきたいと感じました。

特に福祉の現場でインタビューする際に読み返したい一冊となりました。

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