現金はなくても、食べることには困りません。


今年の5月から、ここ四国の愛媛県東温市(旧温泉郡川内町)に暮らしています。大阪で生まれ育って、なんの不満もない生活から、わざわざ島国・四国へ移住しました。

20代の頃、大阪府枚方市で、食育の仕事をしていたとき、こどもたちのアレルギー、アトピーの多さに驚きました。そして、マクロビオティックを学び、季節のものや、その土地でとれたものを食べることが、健康にも環境にもいい影響を及ぼすということを知り、日本の伝統的な食事の大切さに気づきました。

また、こどもたちが、自然に接っする機会が少なく、田舎のないこどもがほとんどでした。自分の甥っ子たちもまさにそうで、2才の頃、甥っ子は、山にハイキングに行ったとき、転んでも土が手につくのが嫌で手をつかずにお腹から転ぶ有様。

都会のこどもが、おばあちゃんの家に遊びにいくように、だれもが気軽にいなかを味わえるような「場」をつくりたいと思って移住しました。移住先に選んだのが、夫の出身地である愛媛県。実家のある松山市から車で40分ほどの東温市は、ほどよいいなかで、都会育ちにも暮らしやすい環境です。愛媛県は海も瀬戸内で穏やか。人も優しい人が多いところです。大阪へもバスやフェリーで気軽に行き来できるのが、とっても気に入りました。


日頃、出会うのは、近所のひとたち。
ほとんどが、おじいさん、おばあさん。

家を紹介してくれた白戸さんのお爺さんは御歳94才。日頃は家族が仕事でいないため、お昼ごはんを配達弁当に頼っていました。ところが、このお爺さん、好き嫌いが多く、お弁当をほとんど残してしまいます。困り果てていた奥さん。大阪で料理の仕事をしていた我々夫婦は、お爺さんのお弁当をつくってもらえないかと頼まれ、お弁当の配達をすることになりました。

そして、お弁当屋さんとしてスタートしました。不安ながらも、おじいさんの好みを聞きながら、試行錯誤し、いまは、お弁当の配達に行くと、待ってました!といわんばかりに、自ら玄関にでてきてくれるようになりました。近所に農産物の直売所があり、そこにもお弁当を出荷しています。最近は田舎ではとくに、調味料などにも、添加物をつかった惣菜などがほとんどの中、無添加で地元の食材をつかったお弁当が好評で、イベントなどで予約をもらって届けることも多くなりました。

そして、この地域はほとんどが兼業農家だったり、先祖代々の土地をもっており、自給率が高く、自家用の野菜はほとんどつくっています。白戸家でも自家用にお米をつくっていて、今は亡きおばあさんが、30年以上も前から有機農業に取り組み始め、無農薬栽培が盛んで水のきれいな棚田がひろがっています。自家用で余ったお米をお弁当に使わせてもらっていて、さらに余ったお米を販売してほしいと頼まれ、お米の販売のお手伝いもするようになりました。生産者のわかる、安心な食材ということで、大阪の友人の協力のもと、あっという間に完売しました。

田舎では、しごとが少なく、若者がどんどん都会にでていってしましますが、なんとかかんとか、周りの方に助けてもらって、生活が回り出しました。

写真のおじいさんおばあさんは、逆に大阪の娘さんのところへ移住することになり、家と土地を売りたいので、誰か買ってくれないか? と言っています。
昔の農家で古いおうちです。農業したい方、見に来ませんか? 相当広いので、本気の農業という感じです。

いなかでの仕事は、お金になるか? ならないか? ということよりも、必要にせまられて、必要だからやるのが仕事・・・現金はなくても、食べることには困りません。お金もあまりつかわない生活。

まあまだまだ、煩悩の私は、たま~に大阪帰って都会の空気が吸いたいって、思いますが。目の前に山があり、棚田の広がる生活は、自分らしい気がして、気にいっています。都会のこどもたちが遊びにこれるように、ちょっとずつ、「場」も整えていきます。

現在、食工房 銀色として、農産加工所の許可をとり、無農薬、無添加の加工品を少しずつ、つくっています。梅干し、梅酒、柚子、伊予柑、味噌、そばつゆなどがあります。また、お魚料理教室などの企画もしています。田舎からの贈り物として、宅配もしています。

11月26,27日には、大阪府柏原市のお米屋さん、「根っこや」さんに、出張料理に行きます。愛媛県でとれた新鮮な野菜たちで、マクロビオティックのランチを数量限定で販売予定です。ほかにも、自然食品のSALEや、美味しい屋台、手作り小物がでるお祭りです。お時間のある方は是非、お越しください。

根っこや感謝祭

書いている人:
瓜生良江 料理人 料理のモットーは「家で外ご飯、外で家ご飯」。一人暮らしや単身赴任の方など、外食が続くとどうしても身体に負担がかかるので、外食なのに家ごはんのような料理をお店では提供できたらなあと思っています。マクロビオティック、家庭料理を通して料理と心の関係について学んでいます。また、直接農家に足を運び、畑仕事を手伝いながら、おいしい野菜の選び方や食材の調理法を学んでいます。

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